株式会社カトージ様
企業コンセプト「楽しいベビーグッズを。」を、
お客さまお問い合わせ窓口で体現する、YCSの対応力。
「楽しいベビーグッズを。」をコンセプトとして、ベビーベッド、ベビーチェア、ベビーカーなどオリジナル商品や海外ブランド商品を5000アイテム以上取り扱うカトージ様。商品に関するお問い合わせから修理・返品交換、WEBショップ、そしてクレームに至るまで、一般のお客さまからのお問い合わせに対して従来は社員の方々が電話で対応していらっしゃいましたが、2017年から一次対応窓口をヤマトコンタクトサービス(以下YCS)にご依頼いただいています。オシャレなアイテムを取り扱い、数多くのファンを持つカトージ様は、お問い合わせ業務においてどのような課題があったのでしょうか。依頼の経緯やソリューションの成果などについて、品質管理部の松井様にお話を伺いました。

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株式会社カトージ
品質管理部
松井 慎吾様

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ヤマトコンタクトサービス株式会社
営業戦略部
山下 和也
- ご相談の背景
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お子様を想うすべてのお問い合わせに応えたい。
しかし、社員が兼任で対応するには限界があった。

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カトージ様とYCSがお客さまお問い合わせ窓口を担当させていただくことになってから3年ほどになります。ご相談のきっかけは、別のヤマトグループ企業に商品の保管や配送をご依頼いただいていたことでしたね。

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はい。当社には電話応対の専任スタッフがいないため、部署問わず、社員全員でお客さま対応を行っていました。そのため入電数が多いときに品質管理部としての通常業務に支障をきたしてしまっていたのです。

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カトージ様は安心な商品を通じて育児するママやパパ、そして赤ちゃんにも楽しんでもらいたいという想いをお持ちで、「楽しいベビーグッズを。」というコンセプトを掲げていらっしゃるブランドです。お客さまからのお問い合わせにも、その想いで寄り添っていきたいというお考えを、ご相談いただいた際にお聞きして、とても共感を抱きました。

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想いはあったのですが、専門スタッフがいない当社にはノウハウやナレッジの蓄積もありませんでした。そこで、YCSさんに委託すればそういった蓄積や、ひいては品質やブランド力の向上も期待できるかもしれないということで、おつきあいを始めさせていただきました。

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コールセンターを立ち上げるにあたって、カトージ様は扱っているアイテムが幅広く、それに応じてお客さまからの入電も非常に幅広いことを痛感しました。多様な年齢のお子様向けの商品が揃えられていて、かつ、ママやパパのこだわりに応えるハイブランドから全国に流通する定番までバリエーション豊かなので、商品の数だけお問い合わせ内容があると言っても過言ではありません。

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やはりお子様のための商品なので、わずかな疑問でも解消して安心したいというお客さまが多いのです。「この動きは大丈夫か」や「ニオイの正体は何ですか」といった細かいお問い合わせもあれば、商品を長く大切にされているお客さまからは「部品をなくしてしまったけど、この商品を使い続けたい」というご要望もあります。「孫が生まれるので、どういったものがいいのか」という祖父母のお客さまからのお問い合わせも結構ありますね。

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それだけにご相談いただいた当初に最も苦心して試行錯誤したのが、幅広いお問い合わせに対して、安定して運営できる体制を実現することでした。
- ソリューション
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子育てや保育経験のある人材と専用の商品部屋。
カトージ様専用の体制でお客さまに寄り添う。

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カトージ様のコンセプトにふさわしい応対品質を実現するために、私たちが最初にしたこと。それは、数十人いるオペレータースタッフの中から、子育て中または子育てが一旦終わられた方、あるいは保育経験や保育資格がある方を担当者として選出することでした。

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本当にこだわって体制構築をしていただきましたよね。余談ですが、コールセンターの立ち上げる前には、山下さんがショップ店頭で接客体験までしていただいたとか。ちなみに子育てや保育経験がある方にこだわった至った背景には、どのような考えがあったのですか。

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私も子育てを経験しており、その大変さをわずかながらでも知っているつもりです。それゆえに、やはり実体験しないとお問い合わせいただいたお客さまの気持ちや状況に寄り添えないのではないか、という懸念を持っていたのです。

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なるほど。実体験からのこだわりだったのですね。実は、もうひとつ感心していることがあり、コールセンターの中に様々な商品を集めたスペースを作っていただいたことです。商品についてお伝えすることは容易ではありませんが、実物を手に取りながら説明する環境を作ってしまうという解決策には「さすが」との思いが湧きました。

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私たちとしてもカトージ様の窓口を運営するにあたり、ある悩みがありました。それは、商品知識が特定のオペレーターに偏ってしてしまうことでした。そこでカトージ様のご協力で商品を取り揃えていただき、社内の四畳半ほどのスペースに常に商品を並べておく状況を用意しました。オペレーターは文字通り手に取るようにお問い合わせを理解し、「お客さま、ここの部分ですね」と相手に寄り添いながら応対できるようになりました。

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オペレーターの方々は、もはや我々よりもたくさんのお客さまの声に日々接していて、私がすぐわからないことでも窓口で対処いただけるようになっています。また、私も提出いただく日報を見てお客さまの要望にアンテナを立てるようにしているのですが、「もっとこういう情報が事前にわかっていたら、お客さまにご案内しやすいです」といったオペレーターの意見から様々な気付きをいただいています。

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もちろん、すべてのお問い合わせがオペレーターで完結できるわけではありません。一次対応で解決できないお問い合わせは、松井様をはじめとする担当の皆様にご報告してエスカレーション(二次対応)をお願いすることになります。それでも、できるだけコールセンターで解決したいという想いを、オペレーターをはじめ私たち一同は強く持っているのです。

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もしエスカレーションに至っても、助けられているケースは多々ありますよ。例えばクレームで熱くなっていたお客さまがいる場合、YCSさんにまず対応いただいていることでその方の気持ちが落ち着き、おかげで私から電話した際にはすぐに解決できる、なんてケースもあります。辛い部分を担当してもらい心苦しくもありますが、本当に助かっています。
- 今後の展開
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夢のエスカレーション(二次対応)率0%を目指して。
二人三脚でさらなる応対品質の向上へ。


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業務が始まった頃のエスカレーション率は、60パーセントを超えていました。要するに100本取って60本はカトージ様に直接対応をお願いしてしまっていました。直近の月ではエスカレーション率36%でしたから、当時から比べれば1/2近くまで改善できました。

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その2ヶ月前が確か45%でした。当初から改善しているだけではなく、短期的に見ても成果が出ていますね。コロナ禍の影響で、従来は月1回YCSさんに伺って実施していた定例会ができなくなり、代わりに提案いただいた、オンラインでの商品勉強会というものを月1回やるようになりましたね。そのスタートと時期を同じくしてエスカレーション率が改善していると感じていますがどうでしょう。

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成果が上がった要因としては、先ほどのオンライン勉強会と、お客さまからいただいた電話で問題を解決しなければいけないという先入観を捨てたことがあるかもしれません。例えば、お子様がおなかをすかせそうな時間帯にお電話いただいた場合は、長く時間をかけすぎず、一旦電話を切ってかけ直すようにしました。あとはマニュアルの改訂、商品知識やお客さま視点の研究など、オペレーターの自信につながる主体的な取り組みも行っていて、すべてが相まって成果につながっていると思います。

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エスカレーション率が右肩下がりに下がっていて、とても手ごたえを感じています。そのためか、夢は大きくエスカレーション率0%を目指そう、とまで思うようになりましたよ(笑)

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それは大胆な目標ですね(笑)

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実は、エスカレーション率が下がることで、品質管理部としてのすべき本来の仕事に絶大な影響が出ているんですよ。

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そう言っていただけると、すごくうれしいですね。例えば、どのような業務に影響がありましたか。

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お客さま対応の時間と負担が減ったことで、商品の品質管理や取扱説明書の見直し、さらには動画を活用して組立方法や使用方法をお客さまにお伝えするといったことも始めていて、今まで気も手も回らなかった部分まで取り組めるようになりました。

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コールセンター業務のあり方も時代と共に変革の時期にあります。例えば、ヤマトグループに対して取り組んでいるチャットボットの活用やAI化、単純作業のRPA化をカトージ様のコンセプトに合った形で提案をさせていただくなど、双方飛躍できるような関係を築けていきたいと思っています。

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売上の増加はもちろん、クリーニングやレンタルといったサービス展開を目指す上でも、お客さま対応のプロフェッショナルであるYCSさんのノウハウをぜひ活用させていただきたいと考えています。あと、最後にひとつだけ。私はYCSさんのオペレーターの方々をすごく尊敬していて、同時に感謝しております。本当に当社の社員かと思うくらい熱心に取り組んでいただいていますので、今後もぜひ頼りにさせていただきたいです。

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オペレーターは全員がカトージ様の窓口であることに思い入れや誇りを持って取り組んでいます。とてもうれしい言葉は必ずお伝えさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。